イタリア初日本経由アメリカ行き? 飯田晴子とディズニーの「Wicth」

実は昨年仕事でチェコプラハを通ったときに、
面白いCOMICを手に入れたんです。
題名は「W.I.T.C.H」。
まあ基本的にバタくさい絵ではあるんですが、その中ではかなり萌える。
何と言っても設定がよい。5人の少女がせくしーなお姉さんに変身して戦うという…。
よく見たらディズニーで、ありゃ、と思いながらも、
あちらでもこういうのが出てきたんだなあ、と喜んでいたのですが、
帰国後、しばらくそのことは忘れていました。


さて、時は流れて、本日。本屋で飯田晴子の新作を見つけました。
この人は秘かな人気作が事実上の打ち切りになって惜しまれたり、
しかしアンジェリークっぽいシリーズを始めたら10巻も続いたりという、
知らない人は知らないけれど知る人は知っている少女漫画家さんです。
私のチェック対象のやや外縁近くに位置している方なのですが、
取り敢えず表紙をチェックしてみると数人の女の子が座ってランチタイム。
女の子集団物は好きなのでもう少しチェックしてみると、
どうも奇妙な既視感がある。帯を読んでみると、
飯田晴子とディズニー・パブリッシング・ワールドワイドが贈る、
愛と正義のヒロイックファンタジー第一弾!」
ん? ディズニー? これは! ここでばちっと記憶が繋がりました。
そう、冒頭のコミックの日本版だったのです。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4049249553/
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4049249650/

早速購入して読んでみると、これは…いやなかなかいいではないか。
実はこの方はちょっとテンポが変わっているという作風なのですが、
それがアメリカンな雰囲気によくあっている。
メインヒロインのウィルの設定が「少し内気で繊細」というのもグーです。
ルックスはショートで一見活発そうなのですが、
実は転校時に友達が出来るか不安がったり、
パーティに行きたくないと溜息ついたり。
これってあちらの国でも受けるのかな?と不思議に思うほど妙に日本的です。
ちなみにに私の一押しはにぎやかなイルマです。


これは面白いと思ってネットで調べてみたのですが…恐れていたとおり、
ほとんど情報がありません。
しかし、ここの2004.08.05のところで面白いことを知りました。
http://freejp.adam.ne.jp/docs/db0107.htm
なんと、ディズニーはディズニーでもイタリア支局製らしいんです。
そこでさらに調べてみてびっくり。
http://www.yohan.co.jp/news/news12.html
こちらの2004年5月のニュース「イタリア発少女向けコミックが米国へ」に記事があったのですが、なんと、
「イタリアでは発行部数が毎月100万部をこえる超人気のティーン向けコミック誌」だそうです。
あの「もえたん」でさえ5刷で16万7000部ですよ?
(比較対象が間違ってますが…)
これだけ部数が多ければ、「ガンスリンガー・ガール」のヘンリエッタ辺りが愛読していたり、ヒルシャーが「売れてるから…」とプレゼントに買ってきてトリエラに呆れられたりしても不自然ではありません。
「現在世界中のディズニー支社によって64のマーケットで雑誌、書籍の出版が拡大されている」
64もあれば、明らかにJAPANも含まれてますね。
飯田さん版の発行も、これに合わせた展開でしょう。
「来年の春には「Disney Adventures」誌との提携でグラフィック・ノベルと少女誌の中間のような雑誌の制作も予定されている」
これは…ディズニー、なんか、やる気じゃないですか?
「萌え文化」そのものは海外進出にはかなり厳しい表現です。
しかし、そのエッセンスを取り出して、ハリウッド的な世界に通用する表現として出して行けば。決して成功は不可能ではないかもしれません。
飯田さん版、結構アメリカっぽいタッチなのですが、ひょっとして編集部からはそちらへの展開を考えた指導が入っているのでしょうか?


ますます興味が湧いて、今度はディズニー・パブリッシング・ワールドワイドについて調べて行くと、なんと。
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=69143
「米国における日本のマンガ出版でトップシェアを占める株式会社TOKYOPOP」と提携するそうです。アメリカで売れている日本コミックが「ラブひな」だということは聞いたことがあったのですが、その展開をしている会社です。


そしてさらに。
http://www.g-telp.jp/careerup/c005.html
ここの「ディズニー パブリッシング ワールドワイド・ジャパン」の方の話によると、
「最近では、日本の漫画文化とイタリアのコミックのノウハウを活かすため、日本から漫画家をイタリアに連れていく機会もありました。」
あくまで推測でしかないので注意して欲しいのですが、
ひょっとしてこれは「Wicth」関連の話で、飯田晴子さんがイタリアの漫画家さんに会いに行ったことがあるということでしょうか?
(ソースの確定できる情報を見つけた方はぜひお知らせ下さい。)


そう言えばイタリアと言えば
ヴェネチア・ビエンナーレ第9回国際建築展ですね。
http://www.jpf.go.jp/venezia-biennale/otaku/j/
.go.jpの下に、大嶋優木とかよつばスタジオとかの文字が載るなんて、
全く面白いことになったものですが。
http://www.eurojapancomic.com/europe/italy/italy.shtml
ここによると、イタリアでも結構漫画のイベントがあるらしいです。
http://www.luccacomics.com/04/default.asp
ここなんかは、10/29-11/1ですね。この頃にイタリアに行かれる方がいれば、
ぜひ両方立ち寄られては、と思います。


しかし…韓国の「SPHERES」といい、なかなか面白い時代になってきましたね。